仏教語から転じた言葉:幡(旗:はた)

オリンピックの開会式では、各国選手団が自国の国旗を先頭に堂々と入場します。また、入賞した選手の表彰式には、国旗が掲揚されます。しかし、ハタは国旗だけではありません。シンボル、記号、儀礼、装飾と、数多くの種類ががあり、その用途はさまざまです。仏教では、ハタとは仏・菩薩の威徳を表す荘厳具です。印度の語「パターカー」を音写して「幡」と書きました。大法要や説法などの時に、寺の境内や本堂に飾ったもので、三角形の首部の下に細長い幡身(ばんしん)をつけ、その下から数本の脚を垂れた、ノボリの一種です。これに触れると滅罪の功徳があるとか、これを作れば八苦を離れる利益があるなどといわれているものです。中国で「旗」というときは、軍旗のことだったようですが、今では、すべてのハタの総称となりました。オリンピックの表彰式などで、日の丸が揚がるのを見るのは、うれしいものですね。