仏教語から転じた言葉: 有頂天

得意の絶頂になっていることを、「有頂天になっている」といいます。喜びに夢中になって、他をかえりみない状態をいうのでしょう。仏教では、迷いの世界を6つに分けて六道と呼び、その一番高いところが「天」の世界です。この天の世界がいくつかの段階に分かれていて、それぞれに名前がついています。三界二十八天と言うのだそうです。その天の世界の中で、頂上に位置する天を、悲想非非想処天(ひそうひひそうじょうてん)といい、あらゆる存在者にとって最高の境地なのです。だから、この天は、つまり有の頂上にある天という意味で、有頂天と呼ばれます。「有頂天に上りつめる」という意味から「有頂天になる」となったそうですが、まだ、悟りの世界ではないので、あまり得意になっていると、すべり落ちますぞ。