仏教用語から転じた言葉: 一期一会

5月21日は、親鸞聖人のお誕生日で、本願寺では宗祖降誕会の法要が厳修されます。このとき、国宝の飛雲閣でお茶会がも催されることは、ご承知の通りです。「一期一会」は茶道の言葉です。「一期」は人が生まれて死ぬまでの一生、一生涯。「一会」とは一つの宗教的なつどい。ともに仏教語ですが、「一期一会」という成句は仏典にはありません。しかし、仏教の精神を表しています。千利休の弟子の山上宗二という茶人が、「茶湯者覚悟十体」という、茶道の心得を示した書を箸しています。その中に「そもそも、茶湯の交会は、一期一会といいて、たとえば、幾度の同じ主客交会するとも、今日の会にふたたびかえらざる事を思えば、実に我一世一度の会なり」と記し、一生にたった一度の出会いだから、主人も客も万事に心を配り、実意をもって交わりなさいと諭しています。諸行無常の世の中、日常生活でも、一期一会の心をもって、ご縁を大切にしたいものです。